【休館日】
3月28日(金)、5月30日(金)、6月30日(月)、8月10日(日)〜16日(土)、24日(日)〜25日(月)、9月30日(火)
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このたび、学校法人明治大学は、数多くの文豪が利用したことで知られる「山の上ホテル」の歴史的建築物を継承することにいたしました。山の上ホテルは、「文人の宿」として多くの作家たちに愛されたことで知られています。神田界隈には当時、多くの出版社が集まり、このホテルは作家たちにとって「第二の仕事場」となっていました。締め切りに追われる作家たちは、しばしば出版社の編集者によってホテルに“カンヅメ”にされました。本館前のわずか4台分の駐車スペースには、常に新聞社や出版社のハイヤーが停まり、作家が書き上げた原稿をページボーイが部屋まで取りに行き、待機する編集者へと届ける−−そんな光景が日常的に繰り広げられていたといいます。洋間や和室で筆を執った作家たちは、このホテルでまさに“血と汗を流し”ながら執筆に没頭し、多くの名作が誕生しました。
このホテルを愛した作家には、
内田百、川端康成、水原秋櫻子、石坂洋次郎、小林秀雄、中野好夫、舟橋聖一、井上靖、高見順、山本健吉、松本清張、檀一雄、吉田健一、中村眞一郎、水上勉、安岡章太郎、五味康祐、鶴見俊輔、池波正太郎、田村隆一、吉行淳之介、三島由紀夫、山口瞳、田辺聖子、野坂昭如、開高健、今江祥智、伊集院静
と、その名を挙げればきりがありません。
本展示では、「山の上ホテル」を愛した多くの文豪の中から、互いに親交が深かった『川端康成と三島由紀夫』に焦点を当てました。明治大学が所蔵する特色あるコレクション「日本近代文学文庫」より彼らの初版本や直筆署名本など、貴重な資料を特別に展示いたします。文豪たちがこのホテルで紡いだ名作の軌跡を、ぜひご覧ください。