國學院大學が校名に冠する「国学」とは、日本の国の成り立ちを考究して、神道・伝統文化に基づく心を究明する学問です。本学の母体であった皇典講究所は、「国学」勃興以来の研究・教育理念を継承・発展するため明治15(1882)年に創立され、本学ではこれを出発点として135年にわたる歴史を歩んできました。
皇典講究所開黌式に臨んで、初代総裁に就任された有栖川宮幟仁親王は、「凡学問ノ道ハ本ヲ立ツルヨリ大ナルハ莫シ故ニ国体ヲ講明シテ以テ立国ノ基礎ヲ鞏クシ徳性ヲ涵養シテ以テ人生ノ本分ヲ尽スハ百世易フベカラザル典則ナリ」との告諭を示されました。今日においても、この告諭の精神は建学の精神の基礎をなすものとして受け継がれてきています。
このような創立以来の有栖川宮家とのご縁から、本学では有栖川宮家の祭祀を継承された高松宮宣仁親王妃喜久子殿下のご高配により、ご襲蔵してこられた有栖川宮家ならびに宣仁親王・喜久子妃両殿下ゆかりの品々を拝領し、収蔵しています。このたび、創立135周年を記念し、本学の歴史と有栖川宮家との関わりをご紹介するとともに、精巧で美術的価値の高い同家ゆかりのお品をご鑑賞いただければ幸いです。