・臨時休館:2/12(水)
・閉館時間の変更:2/9(日)17:00閉館
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本を手にして読むときに、その内容だけでなく、本をかたちづくる様々な素材や設計に想いを馳せたことはありますか? 紙、印刷のインキ、書体や組版、装丁、それらにより生み出される手触りと匂い。本のページをめくることは、書かれている文字や内容を追うと同時に、あらゆる感覚で本という物を感じ取ることでもあります。
本企画展では、そんな本の大事な要素の一つである書籍用紙に注目します。印刷用紙はその用途に合わせて、原料の配合や表面の塗工などで種類が分かれます。特に、文芸やエッセイをはじめとしたいわゆる「文字もの」の書籍では、目に優しい白さ、めくりやすいしなやかさ、あるいは紙らしいふわっとした手触り、両面に印刷しても透けにくく、そして、長く読まれる本では色褪せしにくい保存性も重要です。出版社やブックデザイナーは、どんな本にしたらよいのかをイメージしながら、紙を選びます。
印刷用紙は古今東西、驚くほど多くの種類がありますが、本展では、書籍本文用として抄紙されたものを中心に、約60種類の紙を紹介します。ぱっと見ただけでは、どれも同じ白い紙のように感じがちですが、心を鎮めて、手に取って触りながら比べてみると、一枚一枚が異なるキャラクターを持っていることがわかります。きっと。
実はとっても奥深くて魅惑的な書籍用紙の世界。展示された紙を触って、持って帰って、じっくり向き合いながら、その魅力をご堪能ください。
add: 2025-01-31 / mod: 2025-01-31