本展を担当する日本グラフィックデザイン協会(JAGDA)は、会員約3,000人を擁するアジア最大級のデザイン団体です。同協会のデジタルメディア委員会では、拡張されたメディアにおけるグラフィックデザインの特性と課題を考え、いくつかの実験と思索を行なってきました。
グラフィックデザインは、これまで紙や壁などの視覚表現を支える支持体と共に発展してきました。現在では、デジタルサイネージやスマートフォンなど、オン・スクリーンの表現も一般的となり、VRやARといった技術により、仮想環境でも展開可能になっています。近い将来、日常になっていくであろう、物理的な制約を超えた空間での視覚体験にグラフィックデザインはどのようにしてアプローチできるのか。この展覧会では、現実/仮想を問わない、その視覚体験から見えてくる「もうひとつの表示」について、さまざまな角度からグラフィックデザインの可能性を探ります。