貨幣博物館のある江戸・日本橋をはじめ、都市では、古くより商人らによってさまざまな販売方法や流通の仕組みが編み出されてきました。そして、多様な宣伝方法により、人気のある店や商品に関する情報が溢れ、日々活発な売買が繰り広げられていました。
本企画展では、江戸から明治時代にかけて活躍した商人に焦点をあて、貨幣博物館所蔵の浮世絵や双六などの絵画資料の中から商いの様子をご紹介します。また、当時使われていた商家の看板や、商人たちが販売スタイルに合わせて使い分けていた数々の道具類を初めて公開します。加えて、江戸時代に商売の販促ツールとして使われた出版物──引札(広告)──などもご紹介します。
商いが大きく発展した江戸時代、商売に関わる人々が効果的な販売促進のために重ねた工夫から、現在にもつながる商いの秘訣を垣間見ていただければ幸いです。