明治時代を迎えて、東京の街に洋風建築の建物や鉄道、ガス燈などの開化文物が溢れると、その風景は
四ッ切り判と呼ばれるはがきサイズの版画として、木版画だけでなく石版画や銅版画でも制作されました。
一方江戸時代からの名所でもある、浅草寺や上野東照宮をはじめとする神社仏閣、愛宕山からの眺望、
墨堤の桜の様子など、明治の世となっても変わらぬ風景を描いた作品も制作されました。
これらの手に取りやすいサイズの作品は、絵師たちにとっては構図や色使いの制約もある中でも数多く制作され、
単体のほか、冊子仕立てにまとめられ、現在の私たちに当時の東京の様子を伝えてくれます。
展示会では江戸から明治へと移り変わる開化東京の風景を、井上安治や歌川広重(三代)による木版画作品を
中心に、石版画や銅版画で描かれた、はがきサイズの作品より展示紹介します。