平成27年(2015)に王子四丁目在住の元フリーカメラマン西山英明氏が撮影した1系統(上野駅前・品川駅前)など都電銀座線の終焉に関する展示会「都電残照'67」を催しましたが、その後同氏から新たに提供を受けた大量の白黒ネガフィルムの中に19系統(王子駅前・通三丁目)と32系統(荒川車庫前・早稲田)が少なからず含まれていることが判りました。
そこで、区内を走行していた両系統に焦点を当て再び展示会を催します。本展では、原板から直接焼いた全紙大のパネルを80点製作するとともに、沿線を示した地図や両系統で使用された都電器具類などを添えて観覧に供します。
撮影は全て昭和43年(1968)にされました。この年は佐世保エンタープライズ号寄港事件や新宿駅騒乱事件が起き、北区でも米陸軍王子病院反対闘争が激化したように、国内各地がベトナムの戦渦に巻き込まれていきました。そうした最中、前年に公園が整備され石神井川の隧道も竣工した飛鳥山付近や王子駅前・西ヶ原などの界隈で撮られた都電の写真が今回の主役です。
秋色深まる飛鳥山でちょうど50年前にタイムスリップしてみるのはいかがでしょうか。