本展では、漱石山房記念館が所蔵する漱石や門下生などの初版本を一堂に会して公開します。
漱石の初版本の装丁は、『吾輩は猫である』から『虞美人草』や『行人』など
その多くを橋口五葉(ごよう)が手掛け、『道草』、『明暗』は津田青楓(せいふう)、そして『こころ』は漱石自らが携わっています。それらは出版された当時から装丁、造本の傑作といわれるほど美しい本であることが知られています。
漱石が橋口に宛てた書簡には、『吾輩は猫である』の中編の装丁について、「表紙の模様は上巻のより上出来」と書かれており、自著の装丁へ深い関心を示していることが伝わってきます。
また、原稿や印税帖、書簡、新聞記事などの関連資料を展示し、発行当時の様子もご紹介します。
漱石のこだわりの詰まった、まるで美術品のような美しい本に会いに来ませんか。