戦前戦中・戦後の激動の時代を通じ、一貫して荷役労働における人間の「苦役」からの解放をめざした平原直(ひらはら・すなお:1902〜2001)。
戦前から輸送現場に身を置き作業の機械化・合理化を提唱、戦後は月刊誌『荷役と機械』を38年間にわたり発行し、執筆や講演・教育活動を通じてパレット、フォークリフトなどの導入・活用をはじめ、荷役の近代化・物流理論の開発普及に尽力しました。戦後の変革期を経て合理化された物流発展の礎を築いた先覚者として知られ、その影響は中国・韓国・台湾にも及んでいます。
平原の思想は革新・合理化を主張しながら公共性を前提とし、視線は常に変革によって失われていく技術や運ぶ姿、歴史にも注がれていました。この展示は、平原が遺した膨大な著作や資料・写真・映像によりその足跡を振り返り、変動期といえる現在に通じる指針を見出そうとする試みです。