※今展会期中は毎週金・土は20時まで開館いたします。
(最終入館は19時30分まで)
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酒井田柿右衛門家に伝わる「赤絵初りの覚」によれば、初代柿右衛門が赤絵の焼成に成功し、1647(正保4)年には、製品を長崎で売ったといいます。その後1670年頃には「濁手(にごしで)」と呼ばれる乳白色で暖かみのある白磁に、華やかな赤の上絵具を主とした絵付けを施した「柿右衛門様式」と称される作品群が成立します。この柿右衛門様式の作品は、ヨーロッパにおいて絶大な人気を誇りました。しかし、輸出事業の縮小に伴い、「濁手」素地の製法は18世紀のうちに失われてしまいます。
失われてしまった「濁手」素地の製法を戦後に復興したのが、12代・13代柿右衛門氏です。つづく14代柿右衛門氏は先代達よりその技術を受け継ぎながら、写生に依った新しい感覚の作品を制作されました。そして2014年には15代が当代酒井田柿右衛門を襲名され、伝統を守りながらも現代に調和する作品を次々と生み出されています。
開館30周年記念特別展となる今展では、15代酒井田柿右衛門氏の新作をお披露目し、さらに、近現代の歴代柿右衛門氏の優品や、当館所蔵の江戸時代に作られた柿右衛門様式の作品を展示いたします。江戸時代より伝わる技術を継承しながらも、次世代への新しい展開をみせる、柿右衛門のすべてをお楽しみください。
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